【自扫机翻】~~~日帰り旅行計画~~~日归旅行计划

作者:二宫三咲

静冈银土本 2016年冬号 P88-93

“静冈。”
坂田猛地从炬上抬起脸。手上的橘子还剩下大约一半。似乎是家里寄来的大量橘子,根本没等解释,就分发给了在场的所有人。这橘子稍微有些酸,但对于在炬上温暖地待着的他们来说,正好刺激一下味蕾。

“哈?”
然而,让土方瞬间清醒的,却是坂田的话——“我们去静冈。”

“……为什么?”
没有任何前兆或铺垫地说出的地名,对土方来说并不熟悉。大阪虽然因为修学旅行或家庭出游去过几次,但静冈只是路过,从未真正下车。坂田为什么会提到这个地方,土方完全摸不着头脑。尤其是,坂田似乎与那片土地没有什么关联。

“静冈可是很棒的。”
但坂田并没有解释理由,只是继续推进话题。

“……静冈有什么好玩的啊?”
“你知道吧,有茶,还有花鸟园,还可以采草莓,在滨名湖还能吃鳗鱼呢。”
“富士山呢?”
“啊——嗯,那也有啦。”
日本的绝景被坂田随口加上,但似乎并没有引起他的兴趣。

“……那为什么要旅行呢?”
“啊,说旅行,其实是日归的。”
土方细细咀嚼着坂田的话。“旅行”这个词,总让人联想到“住宿一晚”的行程,但这次显然不是。

“……为什么是和老师一起的日归旅行?”
的确,虽然“日归旅行”也叫旅行,但为什么要和恋人坂田一起呢?如果可以选择,当然更希望是过夜旅行。所谓日归,就是必须在当天返回,时间非常有限。

“想过夜吗?那种感觉?”
“……没什么。”
坂田和土方约定过,过夜的事要等高中毕业后。两人虽然在一起待过夜,但都在坂田家这种不被外人看到的地方,触碰的限度是拥抱和接吻,就像中学生般单纯。

“那,为什么是静冈啊?”
“静冈很棒嘛,茶啊、花鸟园啊、草莓采摘、还有滨名湖的鳗鱼。”
“富士山呢?”
“啊——也算吧。”
坂田似乎对日本的名胜风景没什么兴趣。

“那,为什么要旅行?”
“啊,也不是过夜的啦,是日归。”
土方心里一阵无奈,但也明白,这样安排是为了避免在近处碰到学校的人。去静冈,遇到熟人几率自然小很多。

“怎么不高兴的样子?讨厌跟我去静冈吗?”
“不讨厌。”
“可是?”
“也……还好吧。”
土方其实很期待和坂田一起去旅行,但心里有顾忌:在外人面前,他们的关系不能显露。

“我可是很期待的。”
坂田看起来十分乐观。坐在土方旁边,拿起手中的橘子,用手揉了揉。酸酸的橘子,真的能因此变甜吗?

“首先呢,我们要坐新干线。”
从东京到静冈,必须坐新干线。修学旅行或家庭旅行时坐过,但从没和朋友,更别说恋人一起坐过。过去只要坐着等车票就能拿到,但这次可不一样。首先,连买车票该怎么做都不知道,大概坂田这个成年人很清楚吧。

“新干线当然要吃炸猪排三明治啊。”
“……天妇罗饭团吧。”
“炸猪排三明治啦!”
“不,我要天妇罗饭团。”
相比三明治,更喜欢饭团。家人一起出行时也是天妇罗饭团。

“好吧,那就天妇罗饭团和炸猪排三明治。”
“你一个大男人能吃得下两种炸物吗?”
“旅行嘛,心情会high的啊。”
坂田放下橘子站起来,土方以为他会去重新泡茶。

然而,坂田移动到土方身后,从背后抱住他,再用双腿夹住,重新钻进炬里。这股温暖,比刚才更让人安心。

“天妇罗饭团和炸猪排三明治,还有零食。”
坂田一边数,一边回忆最近的零食兴趣,似乎最近喜欢吃Pocky。

“Pocky吗?”
“这个季节巧克力是第一名。”
“冬天巧克力特别好吃吗?”
“嗯,就是冬天吃巧克力最好吃。”
土方笑了笑:巧克力也能有季节感吗?不过回想起来,最近确实常看到他吃巧克力涂层的Pocky。

“你不看看便利店的货架吗?巧克力都摆在最显眼的位置。”
“……那就是说,是催情节啊?”
“也有这层。”
土方笑了笑:休息日约去静冈旅行,也是这个意思吧。

“我也因此很期待啦。”
土方从坂田手里抢过橘子。被握了好久的橘子,居然出奇地甜。

下附原文:

「静岡」

坂田は炬から勢いよく顏を上げた。手元のみかんはまだ半分ほど残っている。職員室で家から大量に送られてきたのだと断る暇もなく、その場にいた全員へと配給されたらしい。そのみかんは少し酸っぱいが、炬でぬくぬくと過ごしている自分たちにはちようどいい刺激だった。

「ハ?」

しかし、土方の目を覚まさせたのは坂田の言葉だ。「静岡に行くぞ」

「·······なんで」

何の脈略もフラグもなく告げられた地名はあまり馴染みのないものだった。大阪には修学や、家族旅行で行くことはあっても、静岡は通り過ぎるばかりで降り立ったことがない。その名を坂田が発した理由がわからなかった。特に坂田にその土地へのゆかりもなかったように思うのだが。

「静岡はいいぞお」

だが、坂田はその理由を話すどころか、話を進めていく。

······何があるんだよ、静岡って」

「ほら、アレだよ、お茶とか」

「それだけのために行くのか?っつーかそもそもなんで先生と旅行······」

坂田と土方は恋人である。だがしかし、表を手を繫いで歩いたことなどない。教師と生徒ではそれは不可能だろう。ましてや男同士である。しかし例え堂々と歩ける関係だとしても羞恥から手を繫いで歩かないことを選ぶ性格上、それは微々たる支障だ。だが、その分家では坂田はもちろん、土方も好き放題にしている。思う通りに相手に触れ合える関係だ。「先生と旅行嬉しくないの?」

「······微妙」

「微妙なのッ?」

しかし、坂田とは一緒のベッドで朝まで過ごしたことはあつても、それはじゃれ合いの範囲を超えないものだった。坂田は、土方が堪え切れずに反応を示しても笑ってトイレを指さすような男だった。逆に坂田がそうなってしまった場合は黙って隣で耐えているため、土方も笑いながらそちらを指差すのだが、べッドに一人残されたことはない。触れ合いは、ハグとキスまで。まるで中学生のような関係で過ごしているのだ。

「で?なんで静岡なんだよ」

「静岡はすげーぞ、お茶だろ、花鳥園に、いちご狩りもでき

るし、浜名湖でウナギもだぜ」

「富士山は?」

「あー、まあそれもそれも」

棒読みで追加された日本の絶景は坂田には興味が湧かないらしい。

「で?なんで旅行なんですか?」

「あ、旅行っつっても日帰りな」

土方は坂田の言葉をかみ砕く。『旅行』と言う響きはどうしようもなく『一泊旅行』という意味合いがあるだろう。しかし、それは違うらしい。

「········なんで、先生と、日帰り旅行、なんですか?」確かに泊まらずに帰る『日帰り旅行』も『旅行』と名前が

ついているため、それは旅行ではあるが、それではますます恋人である坂田とする意味がわからない。どうせなら一泊で旅行を誘われた方が嬉しいに決まっている。日帰りと言うことはその日本語の通り、日付が変わるまでに帰って来なければならない旅行だ。それではかなり時間が限られてしまうだろう。

「お泊まりがいい?そういう感じ?」

「ベつに······」

坂田とそれについては高校生を卒業してから、と約束している。キスまでだと決めて、坂田の家と言う人目に触れない空間で一緒に過ごしたり、泊まったりすることはあった。

「お泊まりは、ほら、ちゃんと卒業してからな、五月の連休にでもとつとけって」

な?と坂田は笑う。ここまで、付き合い初めてから半年間も坂田との最初の約束であるそれを我慢したのだからあと数ケ月くらい耐えてみせようとは思うが、なんとも坂田から誘惑が多い気がしてならない。時々、こちらから迫るのを待っているのではないかと勘ぐってしまうくらいである。

「だから、今回は日帰り旅行で、静岡な」

「別に静岡じゃなくてもよくないか?」

「いや、今回のこれが静岡イベントってのと、もっと近くの日帰りだと学校の奴らと会うかもしれねえーだろ?その対策だよ」

·······前半は聞かなかったことにしとく」

前半はそもそもとして、後半の坂田の言っていることはよく理解できる。学校関係者に見つかるわけにはいかないのだ確かに静岡県までとなれば知り合いに会う確率はぐっと減るだろう。

これは、秘めなければならない。

「ンでそんなノリ気じやねえんだよ、え、嫌?俺と静岡行くの嫌?」

「嫌じゃねえけど」

「けど?」

「ベつに、楽しみっつーか、そういうので·······」

坂田と旅行に行けるのは嬉しいとは思う。しかし、自分た

ちはそうするべきではないのではないだろうか。外部から遮

断された室内の限られた空間でしか『恋人』と言うくくりで過ごすことはできなかったのではないか。

旅行となれば、知らない土地で他人に囲まれているとは言え、しかし人前だ。

自分たちは人目に触れて良い関係ではないだろう。「俺は楽しみだよ」

そう考えると坂田は酷く楽観的に見えた。角を挟んで隣に座っていた坂田がみかんを手に取る。両手でそれを掴み、もんでいるようだが、はたしてそれで目が覚めるほどの酸っぱいそれが本当に甘くなるのだろうか。

何をしても酸っぱいままではないのか。「まずさ、新幹線に乗るわけよ」

東京から静岡に行くとなれば移動手段は新幹線だ。それには修学旅行や、家族旅行では乗ったことがあるが、友人やましてや恋人とは経験がない。今までは座って待っているだけで切符が手元に届いていただが、今回はそうはいかないだろう。まず乗車券からどう買っていいかわからない。きっと大人である坂田は知っているのだろう。

「新幹線と言えばカツサンドだろ」

「······天むすだろ」

「カツサンドですう」

「嫌だ、天むす買って」

サンドイッチよりもおむすびの方が好きだった。家族で乗る時も天むすであり、カツサンドと言う文化はない。新幹線のホームの売店で買うのよりも改札口の弁当屋で買う方が美味いのはすでに知っている。

「わあった、天むすとカツサンドな」

「油ものをダブルでいけんのかよ、おっさんが」

「旅行ってテンション上がらない?それでなんとなる」「ふうん」

坂田はみかんを置いて立ち上がる。まだ炬燧の上の急須にはお茶が入っているかと思うが、温かいものを淹れなおすのだろうか。

しかし、立ち上がった坂田は移動してきたのは土方のすぐ後ろだった。背後から抱き込んで両足で土方を挟むよう再びに炬燧に潜り込んだ。それには特に抵抗を示そうとは思わな

かった。さつきよりもずっと温かい。

「天むすとカツサンド買って、あとお菓子な」

坂田はそれを指折り数えていく。坂田は準備室や、ここでもよく菓子を食べていた。今の坂田のブームはなんだっただろうか。最近はよくポッキーを食べている姿を見る気がする。

「ポッキー?」

「今の季節はチョコが俺の中で一位」

「溶けないから?」

「いや、冬ってチョコおいしいだろ?」

「别に冬だからって言うのは感じねえけど」

季節感のある和菓子ならともかく、チョコレートという庶民的な菓子で季節はないだろう。だが、そう言われてみればポッキーもチョコレートでコーティングされているものを食べていたような記憶もあった。

「つたく、コンビニの棚とか見ねえの?一番目立つところにチョコレート置かれてっから」

「······それってつまり、バレンタインの催促か?」

コンビニには二月の一大イベントと称してチョコレートの陳列が山ほどされている。それは入ってすぐの棚からそうである。

「それもある」

「やらねえよ、日曜日だろ」

休みだし、と土方は笑う。今年はきっと去年より断る数が減るだろう。適当に渡されるものは受け取るが、本命のものは断るようにしているため、一つずつ断るのは気力をかなり使うのだ。土方も坂田に想いを告げて、今の関係を手に入れたため、それを伝えることについての覚悟はよくわかる。もし付き合うことになっても、断られても今までとは関係が変わってしまう。想いを告げることは人間関係を変えてしまうのだ。その変化した関係は二度と戻ることはない。その覚悟が告白に必要だと土方は理解していた。

「休みだからこそ、そこで静岡旅行に行こうって話」

だが、今年は日曜日なのだ。学校は休みであり、会おうと

約束をしない限りはその日に会うことはない。

「十四日に行くのか?七日かと思ってた」

「それはまた違うイベント、ってかお前まではメタな発言や

めてくれ」

収集がつかなくなるだろ、と坂田は先ほどのみかんを手に取った。ぐにぐにと握られていたみかんは、だが見た目からはその味の変化はわからない。それを丁寧に剥いていく。坂田は最初にそれを真っ二つに割って、半分にしてから残りの皮を剥いていくのがいつもだった。その手順すら覚えるほどにここでみかんを食べている。

土方は『いいか』と思う。

周囲に気をつけることはもちろん悪いことだとは思わない。できる限り、身近な友人でも時が来るまでは黙っているべきだと考えている。しかし、たまにはいいのではないか。新幹線で何もいちやつくわけではないのだ。出かけるだけ、二人で少しだけ思い出を作ろらと言う話だ。

「それだけ俺もテンションが上がってるってこと、です」「え?」

「楽しみになってきた」

呆ける坂田からみかんを奪う。そのずっと握り締められていたみかんはとても甘かった。

【自扫机翻】~~~夜菓子談義~~~夜菓子谈义

作者:咲良

静冈银土本 2016年冬号 P66-72

好像听到了警笛声,土方抬头望去,只见特急列车正从为避开地面道路而修建的铁轨上呼啸而过。那庞然的车体撞击铁轨发出的巨响几乎掩盖了周围的一切喧嚣,土方眯起眼睛,心想过去根本没有那样的交通工具。回想自己刚来江户的时候,交通远不如如今发达,跨县的旅行都需要耗费相当的时间。

然而如今,随着天人的未知技术传入,交通网迅速发展,现在只要上了那钢铁的箱子,不出数小时便可抵达京城。

“真是方便啊。”

土方最近以一种意想不到的方式,切身感受到了这种技术的发展:那便是每年数次举行的真选组队士招募。虽然队士的增员早已多次进行,但每一次招募,出身地的多样性都显而易见地增加了。现在,不少人甚至从富士山脉更远的地方,怀着立身出世的梦想前来江户。

回想自己当初也曾这样怀揣梦想来到江户,但当时的状况、历史与人们都已大不相同。想到这里,土方觉得这未必是坏事,于是穿过喧闹的人群,快步走向熟悉的歌舞伎町。

“带点礼物。”

一进万事屋的大门,土方便把用礼品包装纸包好的点心盒递给银时。确认银时接过手后,他松开手,径自走向客厅。

“诶,什么?又是高级茶点吗?”

银时光凭包裹的样子就能看出兴奋,土方心想,把点心带到这里果然没错。

所谓“又”,是因为土方在外出时若获得了吃不完的茶点,几乎都会带回万事屋。土方虽然不讨厌甜食,但一人吃八、九个茶点实在难以消化。往往收到的茶点体积不小,兼具美观。若在队内消化方便,但若因分配问题起争执就麻烦了,而近藤与总悟也并非极端甜食爱好者。

有一次,土方因犹豫不决,将茶点带到万事屋,银时和孩子们都很开心。看着孩子们天真的笑容,土方觉得也不坏;更何况银时喜欢,稍作“横流”又何妨。此后,每当偶尔得到茶点,土方便带到万事屋作为礼物。

因此,在银时心中形成了一个公式:土方带来礼物包装——里面就是高级茶点。

“这次是队里某人回乡带回的土产,不知道是不是高级。”

“哦,好吧,那就谢谢了。”

银时并不在意价格,只在乎味道。他将包裹放在桌上,转身去泡茶,土方坐到沙发上。看孩子们没出现,想来应该不在家。土方从怀里掏出香烟点上,深吸一口后缓缓吐出烟雾。银时端着茶盘回来,见土方吸烟顺手把灰缸从架上放到桌上。平时万事屋里没人吸烟,灰缸只有来客或土方受邀时才会使用。银时坐在土方对面,随意拆开包装。

土方想着银时拆得稍微仔细点会更好,但反正外包装要丢,也就算了。打开无印点心盒,内部分为数格,装着三种点心的组合。

“哇,看起来好吃!这是哪里的?”

银时看着点心眼睛都亮了,土方轻轻向上吐出一缕紫烟。

“骏河国,现在好像叫静冈。有个队士回乡了,这就是他的土产。”

“哟,这不发给队里吗?”

“他自己分发了,这些是我私下拿到的,不用在意。”

许多队士还会分别送给局长、副长。如果土方是普通队士,大概也会这么做。但他个人认为,与其在这种地方花钱,不如多给家里带几份土产。

银时首先拿起手掌大小的纸包点心,上面用毛笔平假名写着“こつこ”。土方也拿了一个,拆开后发现像杯子蛋糕,咬开有白色奶油流出。口感介于蒸糕和海绵蛋糕之间,味道简单干净,无杂味。

“嗯,好吃。”

银时一口就吃完,还用舌头舔掉手指上的奶油,看样子非常满意。

“这样啊,那就好。”

看银时吃得开心,土方也不觉得不好。啜茶时,茶叶的香味很明显,不像平常那样淡而无味。

“名字看起来像和菓子,没想到是洋式的,像蛋糕。”

土方咬完最后一口,环视剩余的点心。剩下的“こつこ”旁是小袋独立包装的“安倍川饼”。银时拆开,用牙签夹着像蕨饼的点心送入口中。土方注意到旁边的另一种细长圆形点心,正要伸手拿时,银时似乎想起什么,说:

“啊,我认识这个。”

银时拿起的正是土方想拿的细长派,他似乎在回忆过去。土方拆开半透明包装问:

“认识?吃过吗?”

“应该吃过一次……当时一度很火。”

土方咬下圆形端口,查看包装,上面红底黑黄字写着“うなぎパイ”(鳗鱼派),想起骏河附近是鳗鱼产地,明白了这点心的由来。

拆开后其实并不稀奇,土方正琢磨其流行之处时,银时解释:

“它叫‘夜之点心’……”

“啊?”

“对,鳗鱼派的副标题就是‘夜之点心’。”

土方立刻察觉到带有暧昧暗示,眉头紧皱。

“夜……因为鳗鱼?”

“是啊,人们都这么想。”

鳗鱼常作为补品,与玛卡或伟哥并列流行。但如此直接的暗示未免过于露骨。

正当土方陷入沉思时,听到银时忍不住笑出声,俯身靠过肩膀。

“……喂。”

“发情了吗?”

“去死。”

面对这句完全吻合自己想象的低劣问题,土方无奈把剩下的派塞进银时嘴里,叹了口气。

下附原文:

警笛の音が聞こえたような気がして顔を頭上へと向けると、地上を走る道路を避けるよう作られた線路の上を特急電車が通過していくところだった。周りの雑音をかき消す程の音を立てながら線路を打ち鳴らし通り過ぎていく巨体の速さに、一昔前ではあんな乗り物は存在しなかったと土方は目を眇める。思えば、己が江戸<上京してきた時にも、まだそこまで乗り物が発達はしておらず県を跨いでの移動にはそれ相応なりの時間を有したものだ。

だが、現在天人の持ち込んだ未知の技術によって交通網は瞬く間に発展し、今では京の都までもあの鉄の箱に乗り込めばほんの数時間でその地に降りることが出来る。

便利になったものだ、と。

土方には昨今、その技術の発展を意外な形で身を持って実感していた。

それは、年に数回行われる真選組への隊士募集時のこと。隊士の増員はこれまでも何度か行っているが、回を増す每にその出身地のバリエーションが目に見えて多岐に渡り始めたのだ。今では遠く富士の嶺よりも更に向こうから、立身出

世を夢見て江戸へと上がってくる者も少なくない。

思えば自分とて、そうして江戸を目指したのだがあの時とは随分状況も、そして歴史や人々も変わった。

きつとそれは悪いことではないのだろうと思いながら、土方は喧騒の人混みをすり抜け通い慣れたかぶき町への道を少しだけ早足に進んだ。

「土産だ」

万事屋の玄関を潜ってすぐ、土方はそんな言葉と一緒に贈答用の包装紙で包まれた菓子箱を銀時へと差し出した。

る。銀時の腕がそれを素直に受け取ったのを確かめ自分は腕を離し、土方は勝手知ったる他人の家で応接間へと歩を進め

「え、なに? また高級茶菓子とか?」

そのいかにも贈り物ですといった包み紙の包装に甘いもの好きな銀時が声だけでも浮足立つのがわかり、やはりここに持ってきて正解だったとき土方は思う。

銀時がまた、というのは、土方が出先で頂く茶菓子を持て余した場合、十中八九その消費を目的に土方がそれを万事屋に持ち込むせいだ。

土方自身甘いものが嫌いではないものの、流石に一人で八つも九つも茶菓子はこなせない。

だが、こうした茶菓子は往々にして見栄えも兼ねそれなりの大きさのものを頂くことが多い。

隊内で消費できれば楽でいいのだが、貰った貰わないで変に諍いが起きても面倒だし、最屓が諍いを呼ばないであろう近藤も総悟もそこまで極端な甘党ではない。

それに、一度そうした理由でどうしたものかと迷った末、思いつきの手土産で万事屋にそれを持ち込んだところ、銀時や万事屋の子供たちがたいそう喜んだのだ。その子供たちの無邪気な顔は悪いものではなかったし、何より銀時が喜ぶのならば手土産の横流しくらいなんということはない。

自分としても每回菓子の消費に頭を悩ませずに済んで万々歳、という理由からたまに手に入る菓子を万事屋への手

土産にするようになった結果、銀時の中では土方がやたら贈答めいた包を持ってくる、イコール中身は高級茶菓子、という方程式が出来上がっているのだろう。

え」「今回は隊内で帰省したやつの土産だから高級かはしらね

「ヘえ。んじやまあ有り難くいただくわ」

結局のところ美味しければ、その値段の如何にこだわるような男ではないことは知っている。

応接間の机に包みを置いた銀時が、茶を入れるためか廊下へと踵を返すのを見送りソファへと腰を下ろす。

茶菓子と聞いて姿を表さないところを見ると、子供たちは留守なのだろう。土方は懷から煙草を取り出し口にくわえて火をつけた。肺まで吸い込んだ煙を細く吐き出したところで、盆を片手に銀時が居間へと戻る。

銀時は土方が煙草を吸い始めたことに気付き、盆を机の上に置きついでにというように棚の上から灰皿を机へと下ろした。普段万事屋で煙草を吸う人間はおらず、この灰皿が活躍するのは来客が煙草を吸う時か土方がこの部屋に招かれた時くらいしかない。アルミの灰皿に灰を落とす土方の正面へと腰を下ろし、銀時は先程机の上に置いた熨斗付きの包み紙を乱雑に開く。

もう少し丁寧に開ければいいものをと思いつつも、どうせ捨てるのだから突っ込むことも野暮だろうか。あっという間に外包みが取られた無地の菓子箱を開くと、中は紙の仕切りでいくつかに分けられており、三種類ほどのお菓子が入った詰め合わせのようだった。

「おー、うまそー!え、これどこの?」

早くものその菓子の種類に目を輝かせている銀時に、土方がふっと紫煙を上に向かって吐き出した。

「駿河国。今は静岡、とか呼ばれ始めてるんだったか······盆

にそつちに帰省した隊士がいてな。そいつの土産だ」

「ヘえ。いいのか?隊内にくばんなくて」

「そっちはそっちで適当に本人がばらまいた。こりや俺が個人的に貰ったやつだから気にすんな」

良いというのに、局長と副長にはと個別に包みを寄越す隊士も多い。もし自分が平隊士であればきつと同じことをする

だろうから、あえて止めることはしないが個人的にはそんなところに金を使うなら家族に土産の一つでも増やしてやれと思うところだ。

土方の言葉にそれなら早速と銀時がまず手に取ったのは手のひらサイズのまんじゆうのような紙の包みで、その表面には「こつこ」とひらがなが筆文字で書かれている。

折角なら自分も一つずつくらいは食べておこうかと、土方は銀時と同じ包みを手に取り包み紙を破った。中からでてきたのはまんじゆうというよりカップケーキのような形状をしていて、かじれば中から真っ白なクリームが颜を出す。

味は蒸しパンとスポンジの間の子、といったようなほぼ見た目通りの味だがシンプルで雑味がない。

「ん、うめえ」

目の前ではあっという間に一つを平らげた銀時が指についたクリームを舌で舐めとっている。その顔を見るかぎりどうやら甘党の彼にはお気に召したらしい。

「そうか。そりやよかった」

銀時が食べ物を美味しそうに食べている様を見ているのは惡くない。ずっと茶をすすると、めずらしく出涸らしではないそれからはちやんと茶葉の味がした。

「名前からして和菓子っぽかったのに、洋菓子なのな。ケーキみてえ」

同じく茶をすする銀時の姿に自分も最後の一口を頰張る。柔らかい甘みは幾つでも食べられてしまいそうで、土方は飲み込んだ後喉を茶で潤し残りの菓子を見回した。

一つだけ残ったこつこの隣には、小さな袋に個包装された袋が詰められていて、表面には『安倍川餅』と書かれている。銀時がその袋を破り、中に入っているわらび餅のような菓子をようじで口に運ぶのを見ながら、土方はもう一つ、種類の違う菓子へと目を向けた。こつこと安倍川餅の並んだ、その下に入っていたのは細長い円形の菓子。その独特な形に次はコレでもと手を伸ばしかけた土方に、銀時が思い出したような声を出した。

「あ、俺コレ知ってる」

そう言って銀時が手に取ったのは、今土方が手に取ろうとした細長いパイ。その包装になつかしー、と何やら昔を思い

出している風な銀時に、土方はその半透明な袋を破りながら問いかけた。

「なつかしー、って食ったことあんのか?」

「いや、一回、······食ったかな? なんか、一時期ちょつと話題になったんだよなあ、これ」

「ふーん······?」

なにか、賞でも受賞した菓子なのだろうかと思いながら、円形状の端の部分にかぶりつき、そのまま少し袋を持ち上げ菓子の名称を確認する。袋には赤地に黒と黄色の文字で「うなぎパイ」と書かれており、そういえば駿河の辺りではうなぎが名産である事を思い出す。なるほど、それでこんな菓子が出来たのだろうと納得した。

しかし、包装の皮を向いてしまえばそれが別段珍しい菓子ではなく、何がそんなに話題になったのだろうかと思っていると。

「『夜のお菓子』········なんだって」

「は?」

「だから、それ。うなぎパイって、『夜のお菓子』ってキャッチフレーズがついてんの」

ほら、と指さされたうなぎパイの文字の上を見ると、確かにそこにはサブタイトルのように『夜のお菓子』と書いてある。そのキヤッチが生み出すなんとも言えないいかがわしさを一瞬で察してしまい、土方は思わず眉を顰めた。

「夜って······、うなぎだから?」

「あ、やつぱそう思うよな」

うなぎといえば精力増強剤としてはマカやバイアグラと並んで相当ポピュラーなものだ。

だからといってことはちよつと直接的過ぎやしないか。

パッケージ片手に考えこみそうになった土方に、直後吹き出すような声が聞こえ顔を上げると、銀時が口元を手で覆つて僅かに身体を追っていた。

「·····おい」

その銀時の仕草にまさか騙したのかと、若干声を低くする土方に、銀時はいやいやと手を左右にふって否定する。

「ちよ、待てって!先に言い出したのお前だし、俺はその意見には確かに同意したけど!これ駅とかで売られてる

物だぞ。そんないかがわしいキヤッチパッケージにつけるなんて通るわけねえだろ」

「つそりや·····そうだけど!」

だったらその場で否定してくれればいいものをいいかけ、それは責任転嫁だと自分でもわかっている。

気まずさをごまかすように茶を一気飲みする土方に、銀時が言い訳を擦るよらに箱のなかに入っていた菓子の說明書きを手に取る。そしてらなぎパイのページを捲りそれを土方に手渡した。

「ほら、ちやんとかいてあんじやん。『一家団欒のひとときをうなぎパイで過ごしてほしい』だって」

「·······なんだよ、まともじやねーか」

「そりや、土産だからねコレ」

これではまるで、そんな想像をした自分が汚れていると言われているようではないかと若干どこにぶつけたらいいかもわからないハつ当たり的な感情に苛まれる土方に、銀時はまあ、とまた先ほどの土方を思い出したのか笑いをかみ殺しつつもおもむろに席を立った。

「でも実際、今のおめーみたいな勘違いが横行して、飛び火して、キヤッチだけが一人歩きしちまってさ。一時期かぶき町で超流行ったんだよ」

「え、·····それは·······」

また、先ほどと同じような想像が頭をめぐり、だが先程の前科故口にだすことが憚られた土方に、銀時は土方の隣へと腰を下ろしつつ今度はあっさりと肯いた。

「そー。精力増強剤のお菓子として。実際、これってなんか栄養すげーらしくて、まんざら一人歩きも事実無根じゃねえ感じで売れてた」

「へえ······」

階下の町でそんな騒ぎになっていれば、流石に一度くらいは耳と口に入ったことだろう。なるほど、そういうことかと土方は漸く事の次第に納得がいく。

確かに、名前の通りうなぎが含有物として入っているなら、栄養価が高いのは当然だろう。それでいてこの美味しさなら、売れて不思議はないと土方はもう一口パイをかじつた。香ばしさと甘さが程よく交じり合い、ただの菓子として食ペても

とても美味しい。それに腹持ちも良さそうだと、パイを半分ほどまで食べ終わったところで、不意に肩の辺りに銀時の重みを感じる。ちらとそちらに顏を向けると、銀時が土方の肩越しにこちらへと身体を寄せていた。

「······なんだ」

間近に見る銀時の表情はどこかニヤついていて、こんな顏をしている時の銀時がろくなことを言い出さない事は知つているが。

それでもあえて問いかけてしまったのは、なんとなく、そ

の先の言葉に想像がついてしまったからで。

「ムラムラしてきた?」

「死ね」

そして、己の想像と一言一句違わぬ最低な問いに、土方は

残りのパイを銀時のニヤケ口に突っ込みため息を吐いた。

【自扫机翻】~~~おいでませ、OOOか~~~欢迎光临,OOO啊

作者:樹里

静冈银土本 2016年冬号 P48-54

悲哀的动物般的“咕咕咕——”声在房间里响起。
声音的源头是神乐,她把嘴撇成一条直线,盯着手里的杂志页面看。

躺在沙发上看跳跃比赛的银时顺着视线看过去,歪了歪头。
“你干嘛拿静冈的旅游指南啊?”
“蛋黄迷刚才拿过来,又走了。”
“啊,她来过啊。”
“土方要去静冈吗?”
“靠,把重要的恋人丢在一边跑去静冈旅行?副长大人算哪根葱啊?我要把茶叶塞进你的菊花里!”
“你来试试啊,臭卷毛!不过反过来,我会一片片把粗茶叶塞进你的尿道里。”
“啊啊啊,疼、疼啊……你干嘛突然冒出来!”

新宿歌舞伎町,万事屋的坂田银时的恋人——真选组副长土方十四郎,不知何时已经站在沙发后面。
他单手提着装满零食的便利店袋子,可能是作为伴手礼。

土方从新八手里接过零食袋,随手抽出巧克力,坐在神乐旁边,指着她手里的静冈信息杂志。
“那是什么?你要去静冈?”
“嗯,出差。”
“出差啊……土方大人,你这是借工作之名去静冈大吃特吃吧。”

突然从背后传来的声音让银时吓了一跳,回头一看,是真选组一番队队长冲田总悟站在那里。
“喂,你们真的随便进别人家啊!”
“你说不是吗?以后随便出入我家,这就是我的求婚,这个家伙。”
“土方在的地方就有冲田在嘛。对了,你的求婚方式也太老派了,像味噌味儿一样。我想喝你做的味噌汤。”
“闭嘴!你也把应该保密的求婚话全说了吧?这种事本来是两个人的回忆!”
“你自己把求婚对象也算作‘你们’,把我当不法入侵者对待的吧!说实话,是你向我下跪求我不要走。”
“喂,别在孩子面前提这种敏感话题,我也要威严啊!”
“放心吧,银时本来就没有威严。”
“真是的,银时和蛋黄迷在一起吃蛋黄酱这种事,我们一点也不奇怪。”

“好了,讲静冈的事吧,别再吵了。”
神乐皱着眉问:“那静冈大吃特吃是怎么回事啊?”
银时看向土方,心里暗暗松了口气。虽然神乐用责备的口吻,但土方明显觉得这是工作,没有一丝愧疚。
“没什么,就是近藤让我买这个杂志上标记的东西。”
翻开杂志,赫然是“Quil Fait Bon”。
银时当然知道甜点的事情:“啥?!Quil Fait Bon你知道这是啥吗?!可不是在聊大胸!”

“银时脑子比一颗小豆还轻,这点早就知道了。一旦答应的事,就要负责到底。”
“保健所会接收人吗,志村?”
“卷毛肯定会被拒吧。”
“喂,你们够了!神乐,她要去吃蛋糕,我们呢?”
“没说啊,你吵死了,我会考虑你们的份。”
“真的?”
“我要草莓的!”
“我喜欢水果多的!”
“好,等着。”

土方拍拍孩子们的头,勇敢又温柔的微笑让银时的地位彻底沦陷。

“等下看这汉堡,神乐!这个看起来超好吃的汉堡,我在静冈要吃个够!”
银时指着杂志上的汉堡,神乐和新八几乎同时口水直流。
美食和口水,在万事屋是一套送的。

看着照片里多汁、厚实、规整的汉堡,神乐和新八也按捺不住:“蛋黄迷太过分了!我也想吃这个健康的汉堡!”
“看清楚了,是‘Sawayaka’,想吃就别搞错店名。”
土方指着杂志写满双页的汉堡店名。
但在兴奋的万事屋三人眼里,这店名只像被撕开的包装边,完全不重要。
“随便啦,我也想吃那个汉堡!”
“我说的是Sawayaka,不要随便曲解名字!”
“神乐说得好!独占这么好吃的汉堡就是欺负!我们也想吃!”
“‘Shitoyaka’是什么鬼,这名字离这粗壮的汉堡最远了。”
“土方,我们不想跟着出差,但你给我们看这么多美食杂志,我们都要崩溃了,至少能带点多汁回去吗?”
“你这谦虚的口气说的什么啊?而且不是‘Ogosoka’,是Sawayaka啊!够了,我都快记错了。”

土方挥手示意停止,但兴奋的三人组无法控制。
这时,冲田罕见地伸出援手:“别急,我把土方的旅行带来了。这包里可以塞一个人,趁着行李潜入静冈,去吃Sawayaka的汉堡。”

黑色波士顿包落在地上,看起来很眼熟。
神乐疑惑地问:“这东西要我进去吗?怎么进去啊?”
“从脚开始吧。”
“哈哈!小子们,这交给昭和出生的老男人吧,平成出生的Boy Meets Girl就努力吧!”
“你在说什么啊!”
“脑子短路了,神乐别碰。”

银时笨拙地挤进包里,但包是为细瘦的伊藤设计的,银时的下半身挤进去就满了。
“啊,这包满了,满得爆炸!”
神乐、新八、土方互相对视。
“志村,明天是可燃垃圾日吗?”
“明早,不过附近有人在空地生火。”
“卷毛容易燃啊。”
“别乱计划放火!卷毛和直毛一样,焦了也会糊掉!”

“吵死了,走吧,把垃圾一起带上。”
“好哇!”
“定春的呕吐物也带上!”
“喂!别放我身上啊啊啊!”

“对了,冲田,你来干嘛?”
冲田难得无事来万事屋。
土方把生垃圾堆在银身上问:“是来告诉我出差取消了吗?”
“嗯,就是来告诉土方大人静冈出差取消。”
“……好吧,我要巡逻了。”
走声消失,房间又安静下来,信息杂志随风轻轻晃动。

三天后,土方非班带着三人去静冈,终于吃到了Sawayaka的汉堡。
不过,神乐把汉堡吃光,店铺三天临时休业。

END

下附原文:

ぐきゆるるる、という物悲しい動物の鳴き声にも似た音が、部屋の中に響いた。

発信源である神楽が思い切り口をへの字にして、雑誌の一ページを見つめている。

ソファの上で横になってジャンプを見ていた銀時は神楽

が見ている雑誌に視線を向けて、首を傾げた。

「何で静岡のガイドブックなんか持ってんだてめえは」

「マヨラがさっき持ってきてまた出てったアル」

「何だあいつ来てたのかよ」

「土方さん静岡に行くんですかね?」

「ケツ、大事な恋人ほったらかしにして静岡に旅行とか何様

副長様?ケツの穴にお茶っ葉ぶち込んでやろうか」

「やってみろやクソ天パ。その代わりと言っちやあ何だがてめえの尿道にザッリザリのお茶っ葉一本ずつ差し込んでやるよ」

「いっった、ちよ、いっつた·······何お前来たの」

新宿歌舞伎町で万事屋を営んでいる坂田銀時の恋人である真選組副長土方十四郎が、いつの間にかソファの後ろに立

つていた。

片手には土産替わりなのかお菓子がたくさん詰め込まれたコンビニの袋をぶら下げている。

新八に土産だと言って渡されたその袋の中からさらりとチョコレートを取り出して、神楽の隣に座った土方に神楽が持っている静岡の情報誌を指差した。

「何それ。お前静岡行くのかよ」

「おお。仕事でな」

「そうなんでさあ、土方さん、仕事にかこつけて静岡のうまいもん食ベ放題してくる気なんですぜ」

突然背後から聞こえてきた声に銀時がビクリと体を揺らして振り返ると、そこには真選組一番隊隊長の沖田総悟が立つていた。

よ」「おい、お前らマジで勝手に人ん家出入りしてんじやねえ

「お前がもうこれからは勝手に家に出入りしろこれが俺のプロポーズだこの野郎って言ったんだろうが」

「土方さん居るところに沖田総悟あり。っていうか旦那プロポーズの仕方古臭いですねえ、味噌臭いですぜ、お前の作つた味噌汁が飲みたいと同じ匂いがしますぜ」

「うるせえよ!お前も何秘匿するベきプロポーズの言葉あつさり暴露してくれちやってんの?普通そういうの隠すだろ!二人だけの思い出にしとくもんだろうがよ!」

な」「お前がお前らってプロポーズした相手まで一纏めにして不法侵入者扱いするからだろうが。言っとくけどお前のプロポーズ無視して帰ろうとした俺に土下座したのお前だから

「おいやめろ子供がいる前でそういう繊細な話題は。俺にも威厳ってもんがあるんだよ」

「大丈夫ですよ銀さんに威厳とか元からありませんから」「全くヨ、銀ちゃんがマョラとのお付き合いマョネーズで買

つたって言っても私達何も不思議に思わないアル」

「おい静岡の話をしろ。色々問題があるからもうやめよう、

頼むやめてくれこの話は」

「そういえば静岡のうまいもん食べ放題ってどういうことアルか?」

神楽の不満そうな言葉にやっと自分の話題から離れてくれたことを安堵しながら、銀時は土方に視線を向けた。

だがしかし神楽の責めるような口調を受けながらも、本人は仕事という意識が強いからか全く引け目を感じている樣子はない。

「どういうことも何も、行くならこれ買ってきてくれってそのガイドプックに書かれてる付箋のもののお使い近藤さんに頼まれたんだよ」

ペラリと開かれたページにはキルフェボンの文字。

勿論甘いもの大好きな銀時が知らないはずはなかった。「はあ?!キルフェボンってお前何のことか分かってんのか?!巨乳の話してんじやねえぞ!」

「おいこいつは何を言ってんだ」

「銀ちゃんの脳みそが小豆一粒より軽い事なんて生まれる前から分かってたことネ。返品はお断りしてるアル。一度引き受けたものはちやんと最後まで面倒見るネ」

「保健所って人間受け付けてくれてたか志村」

「天パだから断られるんじやないですかね」

「おいお前らいい加減にしろ。っていうか神楽!そいつゴリラにケーキ買って俺らには無しとか言ってんだぞ!」

「言ってねえよ、ぎやあぎやあうるさいお前の分は考えるけ

どな」

「え、ちよ」

「私イチゴのがいいアル!」

「僕フルーツがとにかくたくさん乗ってるのがいいです」「おお、待ってろ」

そう言って子供達の頭をポンと撫でる土方のなんと勇ましくも優しく微笑ましいことだろらか。

保護者である銀時の地位が失墜どころか失禁するには十分であった。

「ちよ、ちよ、ちよ、待て!こ、これ見ろ神楽!このうまそうなハンバーグはお持ち帰りできねえからな!こいつは静岡で腹いっぱいこのハンバーグ食らつもりだぞ!」

ビシイツ!と擬音語が付きそうな勢いでガイドブックに書かれているハンバーグを指さす銀時の手元を見て、神楽と新八はパブロフもドン引きするような勢いで涎を口からダ

ラダラと垂れ流し始めた。

美味しいものと涎は万事屋ではワンセットでお送りされるのである。同情するなら肉をくれ。

写真から伝わる肉汁の弾ける音や分厚く捏ねられた綺麗な俵型の形を見て、神楽と新八はあっさりと意見を翻した。「マヨラずるいアル!私だってこんな美味しそうな、えーつと、すこやかのハンバーグ食べたいね!」

「おいさわやかって書いてんぞ。食いたいって言うぐらいなら店名間違えてんじやねえよ」

てしてしと土方が雑誌に見開きで書かれているハンバーグ屋さんのお店の名前を指で叩く。

だがしかしお店の名前など興奮状態にある万事屋の一同からしてみればピリッと破れてピリリリリーつと端つこの方だけ残したラップみたいなものなのである。つまり邪魔な情報なのである。

「そんなもんどうでもいいネ!私だってにこやかのハンバーグ食べたいアル!」

「だからさわやかだって言ってんだろ勝手に微笑ましい感じにしてんじゃねえよ」

「いいぞ神楽言ってやれ!こんなうまそうなハンバーグ独り占めとかいじめ以外の何物でもねえ!俺達だってしとや

かのハンバーグ食いたいって声を大にして言え!」

「しとやかって何だそれこのふとましい俵型のハンバーグから一番程遠い名前になってんじやねえか」

「土方さん、僕ら別に出張についていきたいとまでは言いませんが、食べさせる気もないのにそういう食ベ物がいっぱい載った雑誌を見せられたら本当こういう大変な事になるんで、せめておごそかの肉汁だけでも持って帰ってもらっていいですかね」

「お前は謙虚な口ぶりでなんつうこと言ってんだ。あとおごそかじゃねえよさわやかだっつってんだろおいもうやめろこのやり取りいつか俺も間違えそうですげえ嫌だ」

土方が手を振ってやめろやめろと指示を出すが、ヒートアツプした万事屋三人組を止める術はない。

だがそんな土方に、珍しく沖田が救いの手を差し伸ベた。「おやおや御三方安心なせえ、こんな事もあろうかと、俺あ

土方さんの旅行をここに持ってきやした。この鞠になら一人ぐらいは入れます、荷物に乗じて静岡に一緒に潜入し、しなやかのハンバーグを食してきてくだせえ」

どさりと床に置かれた黒いボストンバッグはどこかで見たものがある。

ある程度の年代のお嬢さん方ならエスパーな伊藤が入つていたあれとやけにそっくりじやないかと思われること請け合いのそれだった。

ネ」······何アルかこれに入れって言うアルか。どう入ればいい

「えーっと、足から入ればいいのかなあ」

「はーっはっは!ざまあねえなガキども!ここは昭和生まれに任せて平成生まれのボーイミーツガールは精々大志を抱いて鎌倉幕府!」

「何言ってるアルかこのおっさん」

「ハンバーグ食ベれるのと土方さんに持ち運ばれるっていう意味不明の興奮に脳みそがショートしてるんだよ、触っちや駄目だよ神楽ちゃん」

沖田が置いたボストンバッグに何だよこんなもん楽勝じやねえかと言いながら銀時が体を突っ込んでいくが、細身なエスパーな伊藤が入るサイズのそれが筋肉マッチョな銀時が入れるもなく、ムチムチの下半身を入れたところでボストンバッグはいっぱいになってしまった。

··········あ、ちよ、これ、ボストンバッグいっぱいなんだけど。ぱっつんぱっつんなんだけど」

ダラダラと顔に冷や汗をかいて顔を上げる銀時を見下ろして、土方と新八と神楽は顏を見合わせた。

「おい志村、燃えるゴミの日はいつだ」

「明日の朝ですけど確か近所のおじさんが空き地で焚き火してました」

「天パはよく燃えそうネ」

「やめなさい!人を燃やす計画を立てるのはやめなさいつ!あとイメージでよく燃えるとかいうのもやめなさい!あれだから!天パも直毛も一緒だから!直毛だって焦げたらチリチリになんだろっ!おい誰がチリチリの髪の毛だ!そこまでひどくねえよ!」

「うるせえな。もう捨てに行くか。おい生ゴミも一緒に持って来い」

「はーい」

「定春のゲロも持っていくアル」

「おいやめろ俺の上に乗せんなぎやあああああああ」

「ところで総悟、お前何しに来たんだ」

用件もなしに沖田が万事屋にやってくることは珍しい。

まさかボストンバッグを持ってくる為にわざわざ来たわけではないだろう。

そう思って銀時の体にぽいぽい生ゴミを乗せていく土方が尋ねると。

「土方さんに静岡出張無しになりやしたぜって言いに来たんでさあ」

「·······」

「じや、俺は見回りあるんでこれで」

スタスタスタ。

ガララララララ。

ガララララララ。

重苦しいほどの沈黙に部屋は包まれ、ハタハタと風も吹いていないの部屋の中で情報誌の表紙が揺れた。

銀時の体に山のように生ゴミを乗せた三人は、黙って銀時の体の上から生ゴミを退けて。

死にそうな顏をしている銀時をボストンバッグから引き

ずり出して、またいつもの風景に戻っていった。

三日後、非番の土方が日帰りで静岡に三人を連れて行き、

無事さわやかのハンバーグを食すことができたという。

しかし神楽にこれでもかとハンバーグを食い尽くされたおかげで、店はその後三日間臨時休業を取ることとなった。

【自扫机翻】~~~突撃静岡ぶらり旅~~~突击静冈闲逛记

作者:あおと

静冈银土本 2016年冬号 P22-28

「……这是哪儿?」
睁开眼时,眼前是一片无垠的蓝色。

几天来堆积如山的桌上工作终于告一段落。盘腿坐着,我伸了个懒腰,僵硬的肩膀深处咯吱作响。
战后报告、财产损坏的说明书、给上头的请愿书、作战计划……分派给部下的文件,结果递上来的却大半是作文一般的废纸(当然,交上来的人都被我卷成寿司吊了起来)。工作规模一大,纸张就跟着成倍增加。嘴上虽想抱怨几句,但能在首尾无恙的情况下继续批文件,本身就是种幸运。于是我熬夜把它们全都处理完。

写完的文件按收件人整理成一摞,轻轻拍在桌面上整齐边角。
「铁!」我冲着走廊喊了一声,不一会儿小姓端着托盘小跑过来。我把要送往各处的文件交给他,他一口爽快的“遵命”后,像条被扔了球的狗似的飞快冲了出去。
看着他的背影,我忍不住露出一丝笑意。端起托盘一看,热气腾腾的茶旁,摆着一个馒头。是前几天某个队士和妻子去温泉旅行带回的伴手礼。

咬上一口,立刻抿茶。微涩的绿茶在舌尖融化掉甜腻的红豆馅,搭配得恰到好处。

时针还没走到正午。正想着下午休班要怎么过,脑海里浮现起那抹银色的身影,偏偏就在这时,熟悉的气息从走廊那头传来。

「要不要和我去个小约会?」
一开口就是这种话的银发混蛋,晃悠悠走进副长室,手里把玩着一串带漆痕的钥匙。环顾一圈后,他毫不客气地端起我还剩半杯的茶。

「非法入侵。」
「才不是呢——我是从正门堂堂正正登记进来的哦。」他若无其事地喝着茶,理直气壮。可就算真是正门进的,接待处也太松懈了吧,这么一眼就写满“可疑”的男人都能放进来?不过想想,自己本来就在和这种可疑人物交往,好像也没资格说三道四。

这个背负着“白夜叉”之名的男人,偏偏在此刻一副漫不经心的样子,「这茶太涩了啊,有没有点甜的?」接着又悠哉游哉地翻找起点心来。

我无奈叹了口气,起身拿起最后一份文件。
「把这个交给近藤先生就完事了。等着。」
「这就对了嘛。那我先把车开到门口去等你。啊,今天要稍微远行一下,记得带件外套。」

「不是骑小摩托?」
我原以为他手里捏的钥匙是原付的,没想到今天换了交通工具。

「这趟活儿本来是送人的委托。」他单手灵巧地转着钥匙,笑着接着说:「结果提前结束了。反正车一整天都租下来了,不如顺便来个兜风约会吧。」

我顺路把情况报给近藤,换来一句“好好享受”,还被拍了下背送出门。换好便装,走到正门,看到一辆陌生的轿车正大剌剌停在那里。连警卫都一脸困惑。我只好摆手示意没问题,然后上了副驾驶座。

银时依旧是那副奇怪的和服穿法,系好安全带,调整了下后视镜,踩下油门。我们有一句没一句地斗嘴着,不知不觉驶上了高速公路。

「……喂,你这是要带我去哪儿?」
「嗯——到了再说,保密。」

虽然是半休,但随时可能被召回,不该走太远。可话还没来得及说出口,车内舒适的空调和引擎的轻微震动,渐渐催得人昏昏欲睡。眼皮越来越沉,就在长时间的红灯前,他把脱下来的白色羽织盖在了我腿上。

「困了就睡吧。」
银时哼着歌,声音温柔得像是要把人融化。我就这样陷入了浅眠。


醒来时,车已经停在某个停车区。肩上盖着的,是带着波纹的白色羽织。
「……这是哪儿?」
「骏河。」
「我大概猜到了……」
靠,这么近距离看富士山。气得我反倒无话可说,只能点了根烟。可惜车是禁烟的,抽得还挺拘谨。

「咦,你居然没生气啊?」
——估计早就和近藤打过招呼了吧,说什么“万一有事就当是出差”之类的。

算了,既然来了,那就痛痛快快玩一场吧。我缓缓吐出烟雾,把烟头按进随身的烟灰盒。

富士山晴天在江户也能看见,可总被电线杆和楼房遮挡。如今在眼前巍然耸立,不受任何阻碍,反倒让我觉得吞云吐雾有点浪费了。

「饿了。」
仔细一想,从昨晚到现在一直盯着文件,几乎没怎么吃东西。
「行行行,去美食区吧。」
「拉面。要大碗。」
「点单你自己说啊——」


平日的服务区,人声鼎沸。卡车司机和游客混杂,挺热闹。
吃完拉面填饱肚子,银时又端来个奇怪的“年糕+冰淇淋”的组合。我暂时走开,在特产店挑了点要带回去的点心和小菜。

结果被一群阿姨团团围住。她们说自己是旅行团,兴致勃勃地给我推荐了附近的海鲜店。临走时还叮嘱我一定要去尝尝。
刚好银时回来了,手上拿着纸杯牛奶和那份怪甜点。
「喂,吃完这个甜得要死的东西,咱们去吃白饭小银鱼丼。」
「这是刚才那群阿姨们教你的吧?」
「她们说这附近有家好店。」
「切,长得好看果然吃香。帅哥都去死吧。」
「哎呀,那帅哥可是你男朋友啊,忍忍吧。」

我冲他露出带牙的笑,他立刻噎住,闷哼一声不再多话。……这大叔,居然还挺可爱。


白饭上堆满亮晶晶的小银鱼,再浇上蛋黄酱,大口塞进嘴里。
「真他妈好吃。」
虽然银时在旁边皱眉,但我还是理直气壮。结果两人竟几乎同时吃完。

茶水端上来时,我忽然想起上午在房间里没喝完的那杯茶,不由笑出声来。真是奇怪的一天。


回程的高速有点堵。我们又在另一个服务区买了特产。
我挑了十几盒点心和一些奇怪的当地钥匙扣。银时什么都不买,被我强行塞了几包草莓点心,说是拿回去分给同事们。
买了咖啡和薄荷口香糖回到车上时,他正无力地趴在方向盘上。

「有点困啊土方君,要不要换你开?」
「少废话,给我精神点。」
我一把拉紧副驾驶的安全带,凑过去招手。银时疑惑地凑近,被我牢牢扣住后脑,狠狠吻下去。

「呃!好凉!辣死了!别——!」
「别这么冷淡啊,银时。」
他满嘴薄荷气息,被我故意逗得直皱眉。趁他换气,我还舔了舔唇角。

「我醒了我醒了!完全醒了!」
他惨叫着挣扎,我笑得肆无忌惮。——难得的机会,不捉弄他就亏了。

「你等着瞧!下次饶不了你!」
嘴上这么说,但握着方向盘的手依旧稳稳当当,车子带着我们安稳前行。


几小时后,车停在了屯所门口。换岗的队士过来,我把买的点心交给他分发。

「那么,跟我一起私奔的感觉如何?」我靠在车窗边调侃。
「要不要我再亲你一次?」我坏笑着探进半个身子。
银时愣了愣,哼道:「算了吧,你刚才又嚼了一片口香糖。我才不上当呢。」

真是有趣的半日游啊。甚至让我觉得,只有半天还不够。

「……下次我一定腾出连休。」
「这才像话。」
看到他真心实意的笑容,我心里也暖得发痒。

——下次,该我来“拐走”他了吧。最好挑草莓当季的时候。

我这样暗暗决定着,露出一个笑容。

下附原文:

「.··どこだここ」

目が覚めたら、見渡す限りの青色だった。

ここ数日掛かりきりだった机仕事が片付いた。凝り固まった身体をほぐすように、胡坐をかいたままゆっくり背伸びをすると、みしみし、肩の奥の方から音がする。

討ち入り後の報告書に物損の始末書に上への陳情書、計画書、部下に書類を割り振ったはずが、提出されてきた相当数の作文の修正(むろん提出者は簀巻きにした)等々、仕事が大掛かりになればなるほど比例して紙の枚数も増之、愚痴の一つもこぼしたくなるが、無事胴も首の皮も繫がった状態だからこそ出来る悩みだろうと、夜を徹してこなし上げた。書き上げた書類を宛先每に束ね、軽く机に叩きつけ角を合わせる。

『鉄!」廊下へ向けて声を張りあげると、ほどなくして小姓が盆を持ってやって来た。各所へ届けてほしい書類を託けると、はきはきとした返事と共にボールを投げられた犬のよう

に一目散に駆け出していく。元気で何よりと、微笑ましさを感じながら受け取った盆を眺める。

まだ湯気の立つ茶の横には、先日家内と温泉旅行に出かけたという隊士の土産である饅頭が添えられていた。一口かぶりつき、口をすぼめて茶を啜る。渋めの緑茶が甘い餡子を舌の上で溶かし、いい塩梅だ。

時計の針はまだまだ正午に届かない。午後の非番をさてどう過ごすかと頭の隅にちらつく銀色を思い浮かべているタイミングで、計ったかのような気配が廊下から漂ってきた。

「ちよいとデートに行きませんか」

開口一番そうのたまった銀髪は、チャラチャラと手元になにやら髪の毛とお描いの色の鍵を弄ぴながら副長室に侵入してきた。きよろきよろと辺りを物色するとまだ半分以上中身が残っている湯吞を取り上げられる。

「不法侵入」

「違いますー、きちんと正面から受付通して来てますー」事も無げに湯吞を傾けずるずると茶を啜りながらはぐらかされる。それにしたって正面切からこんな怪しさを絵に描いたような男を通すなんてちよつと不用心なんじやないかと、職場であり家である屯所の警備体制を不安に思う。が、こんな不審者とお付き合いをしている時点でなにも言えた立場ではない。白夜叉なんて大層な過去を背負っているこの男はそんな思案はどこ吹く風で「ちよつと渋すぎ。甘いもんねえの?」なんて吞気に次は甘味を搜索しているのだ。はあ。ため息を一つつくと書類の最後の一東を手に取り立ち上がる。「これ、近藤さんに届けたら終わり。ちよつと待ってろ。」「そうこなくちや。じゃあ、門の前に回して来るから。あ、ちょつと遠出するからなんか上着も羽織って来いよ?」

「原付じゃねえのか」

てつきり手に持ったその鍵は原付のものだとばかり思っていたが、どうやら今日は足が違うらしい。

「今日の依頼が車での送迎でよ。」

片手で器用に鍵を回しながら男は続けた。

「レンタカー借りたんだけど思いの外早く済んじまって。丸一日貸与だし折伯だからドライブデートと洒落込もうや。」書類の届けついでに近藤さんに万事屋と出かける旨を伝え

ると、楽しんで来いよと背中を叩いて見送られた。私服に着替え、外へ出ると、正門前に見慣れない乗用車が停められていた。こうも堂々と警察機構の門前に一般車を停められては路駐もくそもあったもんではない。困惑顔を隠せない門番の当番の隊士に軽く手を挙げ問題ない事を伝えるとぶつぶつ小言をたれつつ助手席に乗り込む。

万事屋は珍妙な着物の右袖も抜き、シートベルトを締めた。少しだけルームミラーを調節するとアクセルを踏みこむ。ひとしきり文句を言い終えしばらく軽口の応酬をしていると見慣れた街並みを抜け、どうやら行き先が高速道路に向かつている樣子だ。

「..·おまえこれ、どこいくの」

「んー、着くまでナイショ」

半休とは言え、いつ何が起きて招集がかかるか分からない、あまり遠出は出来ない。そう伝えたいのに適度な空調と心地よい振動に摇すられた体は睡眠を欲してて、うまく口がまわらない。もにやもにや口の中で言葉を探していると、長い信号待ちの間に器用に脱いだ白い着流しを膝に掛けられた。

「眠くなつたら寝ちやつていいよ」

ラジオの曲に合わせて適当な鼻歌を歌っていた優しげな銀時の声は、うすぼんやりとした意識の中にじんわり飲み込まれていつた。

どのくらいの時間寝ていたのだろう。

いつの間にか肩から掛けられた白に波模様の着物を手に取り助手席から降りると、澄んだ青空に囲まれたどこぞのパーキングエリアだった。

「…どこだここ」

「駿河」

「いや、うつすらわかってたけれども」

すげえ、富士山近い。怒りを通り越して呆れすら感じる行動力に舌を卷いて、数時間ぶりの煙草に火を着ける。全く、借りた車が禁煙車とは肩身の狭い思いをさせてくれる。

『あれ、案外怒らねぇのな」

どうせ山崎辺りになんかあったら出張だとか言っておけとか、近藤さんに手え回してたりだとかするんだろ。

まあねー、着流しをいつもの珍妙なスタイルに直しながらのんびり答える声を聞き、だったら手放しで漫喫してやろうじやないかと腹を括る。ゆっくり煙を吐き、まだまだ吸える煙草を携帯灰皿に押し付けた。

晴れの日には江戸からも見える富士は、電信柱だターミナルだ、雑多なものに邪魔をされていまいち味気ない。

遮るもののない空に向かってのびやかにそびえ立つ壮大な山が、煙に燻されるのが少し勿体無いと思った。

「腹減った。」

二、三時間ぐっすり眠りこけたおかげで眠気は無くなったが思い返してみれば昨日の晚から山と積まれた書類と睨めっこばかりでろくに飯を食っていない。

「はいはい、フードコート行こうか。」

「ラーメン。大盛り。」

「注文はお店でどうぞー。」

平日のサービスエリアは運送業者や旅行客でまあまあの盛況ぶりを見せていた。

フードコートグルメで腹ごなしをし空腹感も少し薄れたところで、モチだかアイスだか両方だかを買いに行った銀時と少し離れ、土産物屋を冷やかす。

ここまで来たらついでに屯所へなにか買って行ってやろうと入数の多い菓子類や日持ちしそうで食卓の邪魔にならない漬物類を吟味しているとバスツアー客であろうご年配女子集団に捕まった。

江戸からだいぶ離れたおかげで、よくも悪くもそこそこ売れている顏である自分も恶目立ちしておらず、気兼ねなく話しかけられるのだろう。

折角なのでこの近辺でうまい店は無いかと尋ねるとバスガイドに教わったのだという海鮮屋を、きやっきやとはしやぎながら教えてくれた。

まるで女子高生のようなテンションのお姉さま集団に手を振って別れたタイミングで、手に紙コップと紙皿を持った銀時が戻ってきた。コップにはホットミルク紙皿の上にはモチ

とアイスのドッキング品が乗っていた。甘いラインナップとは対照的にその表情は苦々しいものだったが。

「おい、その甘ったるいの食べ終わったら、しらす丼食いに行くぞ」

「それは今の奥さま方からの入れ知恵かな?」

「うまい店教えて貰った」

「うわあもう世界は理不尽で満ちている。イケメン滅びろ」

「まあまあ、そのイケメンはお前の彼氏なんだから我慢しろよ」

まだ何事か口の中でもごもご昡いている銀時に、にやりと歯を見せる笑顏を向けると、うぐう···とうめいて黙り込んだ。少し年上のいいおっさんだというのにまったく単純でかわいらしく思う。

「おら、行くぞ、車出せ。」

一足先に駐車場に向かうと、銀時は紙コップの中身を気にしながらぱたぱたと慌てて追いかけてくる。眼下の水面はキラキラと輝いていて、なかなか味わい深かつた。

「んまい」

てらてら光る、丼にこんもり乗せられたしらすをマョネーズでコーティングし、ロいっぱいに頰張る。

隣で顔をしかめる気配がしたが、うまいものにうまいものを合わせたらそりゃあもう抜群にうまいに決まっている。

同じ丼を注文した銀時とほとんど同じタイミングで完食し、手を合わせた。

店員が、空の器と交换に置いてくれたぼってりとした湯吞に注がれた茶を啜ると、ほんの半日ほど前に自室でほとんど飲み損ねた茶を思い出し、妙な一日に笑みがこぼれる。

「さてと、そろそろ帰ろうかね」

車に乗り込む銀時に倣いながら、もう一度揺らぐことの無い青空と山を振り仰いだ。

帰り道は少しだけ渋滞にはまり、行きとは異なるサービスエリアで土産物を物色した。

菓子を十箱単位で買い、妙な顔つきがやたらツボにはまってしまつたご当地キーホルダーをこつそりニつ購入する。

何も買う様子の無い万事屋には従業員に分け与えるようにと何度も言い含めて苺の菓子を何種類か買い与えた。コーヒーとミントガムを買って車に戻ると、先に戻っていた銀時がハンドルにぐったり体をもたれかけさせていた。辺りは夕暮れを少し過ぎ、夜の暗さに近づいてきた。

「ちょつと眠いよ土方くん、運転代わらない?」

「ふざけんな両目かっぴらいてきっちり運転しやがれ」

無慈悲に助手席のシートベルトをきつちり締めると、へいへいと生返事をする銀時を手招きする。

なになに、と近づいてきたふわふわの後頭部をがっしり捕まえると、ゆっくり口付けた。

「辛い!!スースーする!もう止めて!」

「つれない事言うなよぎんとき」

嚙んでいたミントガムに冷やされた口腔は、甘党には刺激的だったらしい。完璧に確信犯だが。嫌がる顏が面白くて、息継ぎのついでに唇もなめとって冷たい息を吹きかけた。

相当意地の悪い顏になっているだろう自覚はあるが、こんな機会、なかなか無い。旅の恥はかき捨てと言うではないか。

「目え覚めた!覚めたから!!!」

もがく頭を押さえつけてしばらく遊んでいるといっそ悲鳴にも近い声を上げて必死に顔を逸らされた。

お前今度覚えてろ!!と捨て台詞を吐いてしつかり握られたハンドルは、しかし往路と同じく心地よいドライブをもたらした。

再び数時間のドライブデートののち、車は無事に屯所の前に停まった。昼とはシフト交代した門番を務める隊士を呼び寄せ土産を分けるよう託ける。

このまま車の返却に行くという銀時を運転席に残したまま、開けた窓に外側から寄りかかる。

「んで、どうでしたか銀さんとの逃避行は」

「もう一回ちゆーしてやろうか」

にやにや笑いながら運転席に顏だけ乗り込ませると、うつ、と銀髪が言いよどむ。

「さつきガム嚙み直してただろ!今日は我慢しとくわ」なかなかに、楽しい半日だった。半日きりだったのが物足りないと思う程。

「…今度はきっちり連休とってやるよ」

「おっ、上等なお返事で」

心底嬉しそうな顔がくすぐったくて、嬉しくて。

じゃあ、気を付けてと、遠ざかる車のライトを見守りながら、そう遠くないうちに今度はこつちから攫いにいってやろう。今度は苺の季節が良いかもなと。そっと心に決めて、笑った。