【自扫机翻】~~~夜菓子談義~~~夜菓子谈义

作者:咲良

静冈银土本 2016年冬号 P66-72

好像听到了警笛声,土方抬头望去,只见特急列车正从为避开地面道路而修建的铁轨上呼啸而过。那庞然的车体撞击铁轨发出的巨响几乎掩盖了周围的一切喧嚣,土方眯起眼睛,心想过去根本没有那样的交通工具。回想自己刚来江户的时候,交通远不如如今发达,跨县的旅行都需要耗费相当的时间。

然而如今,随着天人的未知技术传入,交通网迅速发展,现在只要上了那钢铁的箱子,不出数小时便可抵达京城。

“真是方便啊。”

土方最近以一种意想不到的方式,切身感受到了这种技术的发展:那便是每年数次举行的真选组队士招募。虽然队士的增员早已多次进行,但每一次招募,出身地的多样性都显而易见地增加了。现在,不少人甚至从富士山脉更远的地方,怀着立身出世的梦想前来江户。

回想自己当初也曾这样怀揣梦想来到江户,但当时的状况、历史与人们都已大不相同。想到这里,土方觉得这未必是坏事,于是穿过喧闹的人群,快步走向熟悉的歌舞伎町。

“带点礼物。”

一进万事屋的大门,土方便把用礼品包装纸包好的点心盒递给银时。确认银时接过手后,他松开手,径自走向客厅。

“诶,什么?又是高级茶点吗?”

银时光凭包裹的样子就能看出兴奋,土方心想,把点心带到这里果然没错。

所谓“又”,是因为土方在外出时若获得了吃不完的茶点,几乎都会带回万事屋。土方虽然不讨厌甜食,但一人吃八、九个茶点实在难以消化。往往收到的茶点体积不小,兼具美观。若在队内消化方便,但若因分配问题起争执就麻烦了,而近藤与总悟也并非极端甜食爱好者。

有一次,土方因犹豫不决,将茶点带到万事屋,银时和孩子们都很开心。看着孩子们天真的笑容,土方觉得也不坏;更何况银时喜欢,稍作“横流”又何妨。此后,每当偶尔得到茶点,土方便带到万事屋作为礼物。

因此,在银时心中形成了一个公式:土方带来礼物包装——里面就是高级茶点。

“这次是队里某人回乡带回的土产,不知道是不是高级。”

“哦,好吧,那就谢谢了。”

银时并不在意价格,只在乎味道。他将包裹放在桌上,转身去泡茶,土方坐到沙发上。看孩子们没出现,想来应该不在家。土方从怀里掏出香烟点上,深吸一口后缓缓吐出烟雾。银时端着茶盘回来,见土方吸烟顺手把灰缸从架上放到桌上。平时万事屋里没人吸烟,灰缸只有来客或土方受邀时才会使用。银时坐在土方对面,随意拆开包装。

土方想着银时拆得稍微仔细点会更好,但反正外包装要丢,也就算了。打开无印点心盒,内部分为数格,装着三种点心的组合。

“哇,看起来好吃!这是哪里的?”

银时看着点心眼睛都亮了,土方轻轻向上吐出一缕紫烟。

“骏河国,现在好像叫静冈。有个队士回乡了,这就是他的土产。”

“哟,这不发给队里吗?”

“他自己分发了,这些是我私下拿到的,不用在意。”

许多队士还会分别送给局长、副长。如果土方是普通队士,大概也会这么做。但他个人认为,与其在这种地方花钱,不如多给家里带几份土产。

银时首先拿起手掌大小的纸包点心,上面用毛笔平假名写着“こつこ”。土方也拿了一个,拆开后发现像杯子蛋糕,咬开有白色奶油流出。口感介于蒸糕和海绵蛋糕之间,味道简单干净,无杂味。

“嗯,好吃。”

银时一口就吃完,还用舌头舔掉手指上的奶油,看样子非常满意。

“这样啊,那就好。”

看银时吃得开心,土方也不觉得不好。啜茶时,茶叶的香味很明显,不像平常那样淡而无味。

“名字看起来像和菓子,没想到是洋式的,像蛋糕。”

土方咬完最后一口,环视剩余的点心。剩下的“こつこ”旁是小袋独立包装的“安倍川饼”。银时拆开,用牙签夹着像蕨饼的点心送入口中。土方注意到旁边的另一种细长圆形点心,正要伸手拿时,银时似乎想起什么,说:

“啊,我认识这个。”

银时拿起的正是土方想拿的细长派,他似乎在回忆过去。土方拆开半透明包装问:

“认识?吃过吗?”

“应该吃过一次……当时一度很火。”

土方咬下圆形端口,查看包装,上面红底黑黄字写着“うなぎパイ”(鳗鱼派),想起骏河附近是鳗鱼产地,明白了这点心的由来。

拆开后其实并不稀奇,土方正琢磨其流行之处时,银时解释:

“它叫‘夜之点心’……”

“啊?”

“对,鳗鱼派的副标题就是‘夜之点心’。”

土方立刻察觉到带有暧昧暗示,眉头紧皱。

“夜……因为鳗鱼?”

“是啊,人们都这么想。”

鳗鱼常作为补品,与玛卡或伟哥并列流行。但如此直接的暗示未免过于露骨。

正当土方陷入沉思时,听到银时忍不住笑出声,俯身靠过肩膀。

“……喂。”

“发情了吗?”

“去死。”

面对这句完全吻合自己想象的低劣问题,土方无奈把剩下的派塞进银时嘴里,叹了口气。

下附原文:

警笛の音が聞こえたような気がして顔を頭上へと向けると、地上を走る道路を避けるよう作られた線路の上を特急電車が通過していくところだった。周りの雑音をかき消す程の音を立てながら線路を打ち鳴らし通り過ぎていく巨体の速さに、一昔前ではあんな乗り物は存在しなかったと土方は目を眇める。思えば、己が江戸<上京してきた時にも、まだそこまで乗り物が発達はしておらず県を跨いでの移動にはそれ相応なりの時間を有したものだ。

だが、現在天人の持ち込んだ未知の技術によって交通網は瞬く間に発展し、今では京の都までもあの鉄の箱に乗り込めばほんの数時間でその地に降りることが出来る。

便利になったものだ、と。

土方には昨今、その技術の発展を意外な形で身を持って実感していた。

それは、年に数回行われる真選組への隊士募集時のこと。隊士の増員はこれまでも何度か行っているが、回を増す每にその出身地のバリエーションが目に見えて多岐に渡り始めたのだ。今では遠く富士の嶺よりも更に向こうから、立身出

世を夢見て江戸へと上がってくる者も少なくない。

思えば自分とて、そうして江戸を目指したのだがあの時とは随分状況も、そして歴史や人々も変わった。

きつとそれは悪いことではないのだろうと思いながら、土方は喧騒の人混みをすり抜け通い慣れたかぶき町への道を少しだけ早足に進んだ。

「土産だ」

万事屋の玄関を潜ってすぐ、土方はそんな言葉と一緒に贈答用の包装紙で包まれた菓子箱を銀時へと差し出した。

る。銀時の腕がそれを素直に受け取ったのを確かめ自分は腕を離し、土方は勝手知ったる他人の家で応接間へと歩を進め

「え、なに? また高級茶菓子とか?」

そのいかにも贈り物ですといった包み紙の包装に甘いもの好きな銀時が声だけでも浮足立つのがわかり、やはりここに持ってきて正解だったとき土方は思う。

銀時がまた、というのは、土方が出先で頂く茶菓子を持て余した場合、十中八九その消費を目的に土方がそれを万事屋に持ち込むせいだ。

土方自身甘いものが嫌いではないものの、流石に一人で八つも九つも茶菓子はこなせない。

だが、こうした茶菓子は往々にして見栄えも兼ねそれなりの大きさのものを頂くことが多い。

隊内で消費できれば楽でいいのだが、貰った貰わないで変に諍いが起きても面倒だし、最屓が諍いを呼ばないであろう近藤も総悟もそこまで極端な甘党ではない。

それに、一度そうした理由でどうしたものかと迷った末、思いつきの手土産で万事屋にそれを持ち込んだところ、銀時や万事屋の子供たちがたいそう喜んだのだ。その子供たちの無邪気な顔は悪いものではなかったし、何より銀時が喜ぶのならば手土産の横流しくらいなんということはない。

自分としても每回菓子の消費に頭を悩ませずに済んで万々歳、という理由からたまに手に入る菓子を万事屋への手

土産にするようになった結果、銀時の中では土方がやたら贈答めいた包を持ってくる、イコール中身は高級茶菓子、という方程式が出来上がっているのだろう。

え」「今回は隊内で帰省したやつの土産だから高級かはしらね

「ヘえ。んじやまあ有り難くいただくわ」

結局のところ美味しければ、その値段の如何にこだわるような男ではないことは知っている。

応接間の机に包みを置いた銀時が、茶を入れるためか廊下へと踵を返すのを見送りソファへと腰を下ろす。

茶菓子と聞いて姿を表さないところを見ると、子供たちは留守なのだろう。土方は懷から煙草を取り出し口にくわえて火をつけた。肺まで吸い込んだ煙を細く吐き出したところで、盆を片手に銀時が居間へと戻る。

銀時は土方が煙草を吸い始めたことに気付き、盆を机の上に置きついでにというように棚の上から灰皿を机へと下ろした。普段万事屋で煙草を吸う人間はおらず、この灰皿が活躍するのは来客が煙草を吸う時か土方がこの部屋に招かれた時くらいしかない。アルミの灰皿に灰を落とす土方の正面へと腰を下ろし、銀時は先程机の上に置いた熨斗付きの包み紙を乱雑に開く。

もう少し丁寧に開ければいいものをと思いつつも、どうせ捨てるのだから突っ込むことも野暮だろうか。あっという間に外包みが取られた無地の菓子箱を開くと、中は紙の仕切りでいくつかに分けられており、三種類ほどのお菓子が入った詰め合わせのようだった。

「おー、うまそー!え、これどこの?」

早くものその菓子の種類に目を輝かせている銀時に、土方がふっと紫煙を上に向かって吐き出した。

「駿河国。今は静岡、とか呼ばれ始めてるんだったか······盆

にそつちに帰省した隊士がいてな。そいつの土産だ」

「ヘえ。いいのか?隊内にくばんなくて」

「そっちはそっちで適当に本人がばらまいた。こりや俺が個人的に貰ったやつだから気にすんな」

良いというのに、局長と副長にはと個別に包みを寄越す隊士も多い。もし自分が平隊士であればきつと同じことをする

だろうから、あえて止めることはしないが個人的にはそんなところに金を使うなら家族に土産の一つでも増やしてやれと思うところだ。

土方の言葉にそれなら早速と銀時がまず手に取ったのは手のひらサイズのまんじゆうのような紙の包みで、その表面には「こつこ」とひらがなが筆文字で書かれている。

折角なら自分も一つずつくらいは食べておこうかと、土方は銀時と同じ包みを手に取り包み紙を破った。中からでてきたのはまんじゆうというよりカップケーキのような形状をしていて、かじれば中から真っ白なクリームが颜を出す。

味は蒸しパンとスポンジの間の子、といったようなほぼ見た目通りの味だがシンプルで雑味がない。

「ん、うめえ」

目の前ではあっという間に一つを平らげた銀時が指についたクリームを舌で舐めとっている。その顔を見るかぎりどうやら甘党の彼にはお気に召したらしい。

「そうか。そりやよかった」

銀時が食べ物を美味しそうに食べている様を見ているのは惡くない。ずっと茶をすすると、めずらしく出涸らしではないそれからはちやんと茶葉の味がした。

「名前からして和菓子っぽかったのに、洋菓子なのな。ケーキみてえ」

同じく茶をすする銀時の姿に自分も最後の一口を頰張る。柔らかい甘みは幾つでも食べられてしまいそうで、土方は飲み込んだ後喉を茶で潤し残りの菓子を見回した。

一つだけ残ったこつこの隣には、小さな袋に個包装された袋が詰められていて、表面には『安倍川餅』と書かれている。銀時がその袋を破り、中に入っているわらび餅のような菓子をようじで口に運ぶのを見ながら、土方はもう一つ、種類の違う菓子へと目を向けた。こつこと安倍川餅の並んだ、その下に入っていたのは細長い円形の菓子。その独特な形に次はコレでもと手を伸ばしかけた土方に、銀時が思い出したような声を出した。

「あ、俺コレ知ってる」

そう言って銀時が手に取ったのは、今土方が手に取ろうとした細長いパイ。その包装になつかしー、と何やら昔を思い

出している風な銀時に、土方はその半透明な袋を破りながら問いかけた。

「なつかしー、って食ったことあんのか?」

「いや、一回、······食ったかな? なんか、一時期ちょつと話題になったんだよなあ、これ」

「ふーん······?」

なにか、賞でも受賞した菓子なのだろうかと思いながら、円形状の端の部分にかぶりつき、そのまま少し袋を持ち上げ菓子の名称を確認する。袋には赤地に黒と黄色の文字で「うなぎパイ」と書かれており、そういえば駿河の辺りではうなぎが名産である事を思い出す。なるほど、それでこんな菓子が出来たのだろうと納得した。

しかし、包装の皮を向いてしまえばそれが別段珍しい菓子ではなく、何がそんなに話題になったのだろうかと思っていると。

「『夜のお菓子』········なんだって」

「は?」

「だから、それ。うなぎパイって、『夜のお菓子』ってキャッチフレーズがついてんの」

ほら、と指さされたうなぎパイの文字の上を見ると、確かにそこにはサブタイトルのように『夜のお菓子』と書いてある。そのキヤッチが生み出すなんとも言えないいかがわしさを一瞬で察してしまい、土方は思わず眉を顰めた。

「夜って······、うなぎだから?」

「あ、やつぱそう思うよな」

うなぎといえば精力増強剤としてはマカやバイアグラと並んで相当ポピュラーなものだ。

だからといってことはちよつと直接的過ぎやしないか。

パッケージ片手に考えこみそうになった土方に、直後吹き出すような声が聞こえ顔を上げると、銀時が口元を手で覆つて僅かに身体を追っていた。

「·····おい」

その銀時の仕草にまさか騙したのかと、若干声を低くする土方に、銀時はいやいやと手を左右にふって否定する。

「ちよ、待てって!先に言い出したのお前だし、俺はその意見には確かに同意したけど!これ駅とかで売られてる

物だぞ。そんないかがわしいキヤッチパッケージにつけるなんて通るわけねえだろ」

「つそりや·····そうだけど!」

だったらその場で否定してくれればいいものをいいかけ、それは責任転嫁だと自分でもわかっている。

気まずさをごまかすように茶を一気飲みする土方に、銀時が言い訳を擦るよらに箱のなかに入っていた菓子の說明書きを手に取る。そしてらなぎパイのページを捲りそれを土方に手渡した。

「ほら、ちやんとかいてあんじやん。『一家団欒のひとときをうなぎパイで過ごしてほしい』だって」

「·······なんだよ、まともじやねーか」

「そりや、土産だからねコレ」

これではまるで、そんな想像をした自分が汚れていると言われているようではないかと若干どこにぶつけたらいいかもわからないハつ当たり的な感情に苛まれる土方に、銀時はまあ、とまた先ほどの土方を思い出したのか笑いをかみ殺しつつもおもむろに席を立った。

「でも実際、今のおめーみたいな勘違いが横行して、飛び火して、キヤッチだけが一人歩きしちまってさ。一時期かぶき町で超流行ったんだよ」

「え、·····それは·······」

また、先ほどと同じような想像が頭をめぐり、だが先程の前科故口にだすことが憚られた土方に、銀時は土方の隣へと腰を下ろしつつ今度はあっさりと肯いた。

「そー。精力増強剤のお菓子として。実際、これってなんか栄養すげーらしくて、まんざら一人歩きも事実無根じゃねえ感じで売れてた」

「へえ······」

階下の町でそんな騒ぎになっていれば、流石に一度くらいは耳と口に入ったことだろう。なるほど、そういうことかと土方は漸く事の次第に納得がいく。

確かに、名前の通りうなぎが含有物として入っているなら、栄養価が高いのは当然だろう。それでいてこの美味しさなら、売れて不思議はないと土方はもう一口パイをかじつた。香ばしさと甘さが程よく交じり合い、ただの菓子として食ペても

とても美味しい。それに腹持ちも良さそうだと、パイを半分ほどまで食べ終わったところで、不意に肩の辺りに銀時の重みを感じる。ちらとそちらに顏を向けると、銀時が土方の肩越しにこちらへと身体を寄せていた。

「······なんだ」

間近に見る銀時の表情はどこかニヤついていて、こんな顏をしている時の銀時がろくなことを言い出さない事は知つているが。

それでもあえて問いかけてしまったのは、なんとなく、そ

の先の言葉に想像がついてしまったからで。

「ムラムラしてきた?」

「死ね」

そして、己の想像と一言一句違わぬ最低な問いに、土方は

残りのパイを銀時のニヤケ口に突っ込みため息を吐いた。

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